屋根勾配によってメンテナンス費用が変わります
屋根の勾配(こうばい)によってメンテナンス時の費用が変わってくるんです。
なかなかイメージしにくいですよね?
屋根には雨水を排水するために、角度がついています。
水平方向に10いった時に、いくつ垂直方向にいくかで〇寸勾配と言います。
一般的な屋根では、4寸勾配~6寸勾配のものが多いです。
コレには理由があります。
屋根勾配が緩いとどうなるのか?
角度が緩いと何が起こるのか?
雨が適切に排水しにくくなります。
水は角度がないと下に流れていきません。
単純な雨だけでしたら下には流れていきますが、風が吹くと雨が上に登っていくこともあります。
その分だけ雨漏りする危険性が増します。
・メリット
屋根面積が少し減るのでコストダウンすることができる。
デザイン性が増す。
シンプルモダンの建物だと角度の緩い片流れのデザインがカッコイイですよね。
雨に対する備えは適切に行って下さいね。
角度が緩いと職人さんも足が凄く楽だったりはします(笑)。
屋根勾配がキツイとどうなるのか?
角度が急になると雨水のキレは良くなります。
しかしここで少し問題があります。
角度が急になればなるほど、人が立っていることが難しい状態になります。
6寸以上の急勾配になると、立っているのも難しく作業が非常に大変です。
こういうジャングルジムのような屋根足場というものが別途必要になってきます。
コレがないと体重を預けたり、つかまって移動することができません。
施工作業も通常よりも時間も手間もかかるため少し割高になります。
・メリット
デザイン性が増す。
角度の急な外観は凄くカッコイイですよね~。
そして屋根裏を利用したスペースを作ることができる。
屋根裏部屋って凄くワクワクしますよね!
メンテナンスの時に起きること
角度が緩い時は通常の4寸~6寸勾配の時と変わらないです。
むしろ角度がない分だけ作業はしやすいくらいです。
急勾配の場合は作業をするために、通常の屋根上までの足場にプラスして別途屋根用足場が必要になります。
これは瓦だからではなく、他の屋根材でも同じです。
例えば、カラーベストや金属屋根材の色の塗り替えの時にも必ず必要です。
屋根足場がないと危なくて作業ができません。
10年ごとに色の塗り替えをする際に、必ず追加費用がかかりますので、ご注意ください。
見積もりが隣のお家がやった時よりも高い!っと思っても屋根足場代や作業の手間がかかるため、適正な金額なのかも知れません。
屋根勾配を絶対4寸~6寸にしなければいけないと言っているのではありません。
こういったメンテナンス費用の要素もあるということを知っておいていただきたいんです。
その分を将来のメンテナンス費用として貯めていくとか、屋根裏部屋のある生活をしたいとか、様々な想いや方法があると思います。
住宅を建築する前にこのことも一度お考えいただく機会になればと思います。
たとえば、屋根裏利用をした住宅に住むのが夢でありどうしてもやりたい。
色の塗り替えの費用のことも考えて、瓦屋根にしよう!
そんな考え方もあるのではないでしょうか?
最後に瓦の売込みっぽくなってしまいましたね(笑)。
参考にしていただければと思います。
オマケ
雨の多い日本だからこそ、屋根には勾配(角度)が必要です - 住まいづくりサポーター屋根係の瓦ブログ
以前書いた屋根勾配のブログです。
日本を出て世界を知ったからこそ分かる日本の良さ
雨漏りの発生原因の一つ 瓦がズレてくるワケ
雨漏りの発生原因の一つとして、瓦のズレがあげられます。
たとえば、上の写真のような状態です。
なぜズレてしまったんだろう?
原因について少し説明しますね。
この瓦屋根は80年くらいの建物だそうです。
その当時に乗せていただいた瓦が今も現役で使われています。
耐久性がやはり瓦はバツグンですね!
話が逸れました(笑)。
このズレる原因の一つですが、昔の施工では釘を打っていない状態なのです。
土葺き工法(どぶきこうほう)という施工方法で、瓦の下に葺き土と呼ばれる土を敷き、そこに瓦を乗せておりました。
よく見ていただくと瓦の下に土が見えますよね?
そして瓦に小さい穴が開いていますが、これは銅線で縛るためのものだったと思います。
瓦を剥がすときっとこんな状態です。
断面のイメージ写真を使うと、このように葺き土の上に乗っている状態です。
葺き土が経年変化で痩せてきてしまうと動きやすくなってしまいます。
では現在の施工方法である、引っ掛け桟瓦葺き工法(ひっかけさんかわらぶき)の断面は?
この写真のように瓦の裏側にある剣(けん)と呼ばれるツメ部を桟木に引っ掛けて、尚且つ釘止めをしています。
ですから、瓦がズレることもほとんどない施工になってきています。
さらに今のJ形瓦と見比べていただくと、分かるのが瓦の上下が重なって隠れるところに、雨対策の防水壁がついています。
表に出ていないところにこそ、瓦の進化を見ることができます。
ズレてしまった場合は、そのズレを元の状態に戻すこと。
そして、瓦の下の状態によりますが、できることならば今の引掛け桟瓦葺き施工で葺き替えすることができるとその後も安心して暮らせると思います。
予算の関係などで、葺き替えができなくても、まずは雨漏りを止めるためにできることがあります。
あとは、ご相談しながら少し手を掛けてあげれたらと思います。
屋根にコダワリを表現できる場所 本棟編
屋根にコダワリを表現できるシリーズ。
今回は本棟編です。
過去においては、軒先瓦と袖瓦をすでにやってみたので、そちらは参考にして下さい。
瓦屋根のプロである私達がお施主さんのコダワリを感じる部分 軒瓦編 - 住まいづくりサポーター屋根係の瓦ブログ
袖瓦もオリジナリティを表現できる場所なのですね。 - 住まいづくりサポーター屋根係の瓦ブログ
本棟とは、切妻屋根の一番高い部分につく棟のことです。
地面と平行に走っている部分のことです。
一番オーソドックスな棟瓦の組合せです。
のし瓦を5段積んで、上に紐丸を使っています。
こういう棟の積み方が一番多いです。
のし瓦の段数が高い低いによって、鬼瓦の大きさも変わってきまぁ~す。
のしの段数が増えて高くなってくると高級感や重厚感が増しますねぇ~。
なんだかんだ地震に弱いなどと言われますが、個人的には高い棟の重厚感が好きです。
きちんとした施工をしてもらえば、高くてもほとんど被害が出てないんですけどね。
こちらものし瓦を積んであるのですが、ちょっとゴツゴツしているように見えませんか?
のし瓦ですが、これは紐のし瓦と呼ばれるもので、瓦同士の左右のつなぎ目にボコっとした紐と呼ばれる出っ張った部分があります。
これがあるとのしにもデコボコとした表情が出てきます。
のし瓦の中段くらいにかなりデコボコとデザインされた瓦があるのですが・・・
これは松川のし(まつかわのし)と言いまして、かなり表情が変わるので、人気でした。
最近はコスト優先であまりこういった手の込んだものを使っていただくケースが少なく寂しいです。
でも近所を散歩していて、もし松川のしが使われている家を見つけたら興奮しちゃいますよね?
興奮してもいいんです!!!
それくらい屋根にこだわっていただいてる家の場合は嬉しいと思います。
のし瓦の間にこうやって軒先で使われる瓦をデザインで入れるケースもあります。
特殊家紋付の軒瓦だとコダワリを表現するポイントとして棟に入れるのもアリですね。
ここからはもうマニアックになり過ぎるので、写真だけ連続で投稿します。
棟ってこんなに様々なデザインができるんだぁ~。
ちょっと散歩しながら見てみよう。
そんな気持ちになってくれたら嬉しいです。
ではいきます!!!
もう何がなんだか分かりませんよね?
雨切りのし瓦に、ダイヤのし瓦に青海波。
マニアックな世界にようこそ(笑)。
一枚ものの写真も手配してもっと詳しくお伝えできるように準備しておきますねぇ~。
様々なコダワリが表現できる瓦屋根の世界に興味を持っていただけたらと思います。
各場所でコダワリを表現できるのがJ形瓦(和瓦)の魅力の一つですね!!!
部屋が暗い そんな時には屋根から明かりを取り入れる方法があります
住宅のリフォームにおいて、部屋が暗いという悩みがあるようです。
確かに窓の大きさだったり間取りによって昼間でも証明なしでは暗い部分があったりしますね。
そんな時には、外からの光を室内に取り込む方法があります。
- トップライト(天窓)
- ガラス瓦
以上の二つの方法があります。
トップライト・天窓
屋根面に文字通り窓をつける感じです。
最近はFIXタイプ(窓が開かないタイプ)だけではなく、開けれるものが多いです。
なぜならば、トップライトは通風性能が非常に高く快適に過ごせるから!!!
採光性(明るさ)は横窓の3倍。
通風性(風通し)は横窓の4倍です。
オシャレですよね~。
ガラス瓦
文字通りガラスでできた瓦の形をしたものです。
こちらはJ形タイプです。
瓦と同じ形状なので、キレイに納まります。
平板瓦にも対応できる形のものがあります。
山平製品ですと、プラス1防災が対応商品です。
このように瓦と同じ形状をしているため、雨に対してはトップライトよりも良いです。
瓦形状で雨水に対して備える形ですね。
ただし、こちらのガラス瓦はトップライトのように窓を開けることはできません。
明かりとりとしては有効です。
まとめ
明かり取りを屋根からする方法としては、トップライトとガラス瓦がある。
防水性を考えるとガラス瓦の方がトップライトよりも強い。
トップライトは周囲を板金や防水シートでの施工になる。
通風性はトップライトは取れるが、ガラス瓦では対応できない。
個人的見解
明かりだけのためならばガラス瓦がオススメです。
通風性も考えるならばトップライトがオススメです。
トップライトならば私達も代理店をしている日本ベルックスが防水性も品質も一番良いです。
天窓(トップライト)専門メーカー。北欧デンマークから世界中の住まいに光と風を。そして夢をカタチに。 | 日本ベルックス株式会社
たくさんの素敵な写真があります。
ご参考にしていただければと思います。
屋根から雨漏りしやすい場所 棟部
雨漏りと一言でいっても、様々な場所からの雨漏りが考えられます。
逆に屋根からだと思ってみたら、壁だったり、サッシ周りだったりといろんな原因があります。
今回は、棟部分の注意点を書きます。
上の写真の③番が本棟部(ほんむねぶ)と呼ばれます。
もう一つ同じく棟部と呼ばれる場所があります。
上の写真の②番の斜めの部分を隅棟部(すみむねぶ)と呼びます。
この棟部分はメインの瓦との間に隙間ができます。
そこを葺き土やシックイと呼ばれるもので、詰めてあります。
こちらは本棟部分の写真です。
J形瓦とのし瓦の間の部分に詰めてあるもの。
これが経年変化によって、剥がれ落ちてきてしまうことがあります。
こちらは隅棟部分のシックイの剥がれ写真です。
この写真に関しては、きちんと以前からある葺き土を取り除くことなく、シックイを重ね塗りしたために、劣化が速かったようです。
シックイ部分が抜け落ちてしまうと、隙間ができてしまうため、風を伴う雨が降った際にこの部分から雨水が入ってしまう可能性があります。
この下は、防水のシートがきちんと貼ってありますので、すぐ雨漏りするわけではありません。
しかし、こういう部分を見つけた場合は速やかに屋根工事業者さんにご相談下さい。
早目の対応をすることで、家も長持ちします。
修理の際には、必ず屋根工事業者さんにお願いして下さい。
屋根の修理は、やっぱり屋根専門店にお願いした方が良い。 - 住まいづくりサポーター屋根係の瓦ブログ
↑先日のブログ記事ですが、このような修理をされてしまっては長持ちしません。
今回は、屋根からの雨漏りしやすい場所 棟部について書きました。
時々屋根を見上げていただきたいと私は思います。
目視で分かる部分が多いので、屋根のシックイ部分をちょっと気にかけてあげて下さい。
そしてプロの方に来ていただいた時に、ついでに他の部分も点検していただくのが良いと思います。
高所作業になりますので、自分で登ってチェックするのは危険です。
ご参考になればと思います。