袖瓦もオリジナリティを表現できる場所なのですね。
以前軒先瓦の種類について書いてみたのですが、今回は袖瓦についてお伝えしたいと思います。
J形瓦(和瓦)のバリエーションについて書いてみます。
実はJ形瓦はいろんな場所でオリジナリティを出すことができる瓦なのです。
袖瓦ってどこの部分?
袖部分に使う専用の瓦のことで、②の部分に使う瓦です。
切妻屋根の左右の端の瓦です。
屋根の場所ごとの呼び方 それぞれの場所に合わせた瓦があります。(切妻屋根の部位) - 住まいづくりサポーター屋根係の瓦ブログ
↑部位の呼び方についてはこちらをご参照下さい。
それでは、写真を使いながら説明していきたいと思います。
ちょっとマニアな世界になりますが、お付き合い下さい。
並袖(なみそで)
一番オーソドックスな袖瓦です。
ほとんどのお家がこの並袖を使っております。
ちょっとアップにしてみます。
このように上下の瓦をストレートに合わせる瓦が並袖瓦です。
キレイな真っ直ぐなラインを表現することができます。
並袖の合端作業(あいばさぎょう)が腕の見せどころですね。
紐袖(ひもそで)
写真のように上下の瓦を紐(ひも)と呼ばれる出っ張りがあり、そこが上下の継ぎ目を隠すような瓦です。
アップにするとこの紐の部分が分かりやすいかと思います。
紐のでっぱりがゴツゴツとした男らしい屋根の表情を見せます。
中付袖(なかづけそで)
並袖がベースなのですが、一段外側が引っ込んだような瓦です。
アップにすると一段出っ張っているというか、引っ込んでいるのがお分かりいただけるかと思います。
こちらもザクザクとした表情が切妻部分にあらわれます。
段差があることにより、独特な存在感があります。
刻ミ袖(きざみそで)
通常の並袖と同じようなストレートのラインですが、よく見ると上下の重なりが非常に細かいのです。
アップになると細かさが伝わりますでしょうか?
短い間隔で並ぶことによって独特な仕上がりになります。
下はストレートなラインでスッキリした表情を見せますが、上の部分を見るとギザギザと続いています。
中付刻ミ袖(なかづけきざみそで)
先ほどの刻ミ袖の派生バージョンです。
刻ミ袖と中付袖の両方の特性を持っています。
下端はストレートなラインを表現。
上の部分は先ほどの刻み袖よりも、一段段差があるためもっと表情が出てきます。
個人的にはこの中付刻ミ袖が好きです。
かなりマニアな世界ですね(笑)。
見せ掛袖(みせかけそで)
軒先瓦のところでも書いたのですが、万十軒瓦(まんじゅうのき)のような丸い鏡と呼ばれる部分が表現されています。
木瓜軒(もっこうのき)のようなシルエットですね。
袖瓦にもかなり表情が出てきます。
これはかなりのコダワリですね。
皆様のお家や近くの瓦屋根を見上げてみるといろんな袖瓦が使われているかも知れませんね。
もしこだわった袖瓦を見つけたら、話のタネにしていただければと思います。
各部分で自分なりのコダワリを表現できる瓦屋根って面白いです。
今日はマニアックな部分の記事になりましたが、参考にしていただけたらと思います。