雨漏りの発生原因の一つ 瓦がズレてくるワケ
雨漏りの発生原因の一つとして、瓦のズレがあげられます。
たとえば、上の写真のような状態です。
なぜズレてしまったんだろう?
原因について少し説明しますね。
この瓦屋根は80年くらいの建物だそうです。
その当時に乗せていただいた瓦が今も現役で使われています。
耐久性がやはり瓦はバツグンですね!
話が逸れました(笑)。
このズレる原因の一つですが、昔の施工では釘を打っていない状態なのです。
土葺き工法(どぶきこうほう)という施工方法で、瓦の下に葺き土と呼ばれる土を敷き、そこに瓦を乗せておりました。
よく見ていただくと瓦の下に土が見えますよね?
そして瓦に小さい穴が開いていますが、これは銅線で縛るためのものだったと思います。
瓦を剥がすときっとこんな状態です。
断面のイメージ写真を使うと、このように葺き土の上に乗っている状態です。
葺き土が経年変化で痩せてきてしまうと動きやすくなってしまいます。
では現在の施工方法である、引っ掛け桟瓦葺き工法(ひっかけさんかわらぶき)の断面は?
この写真のように瓦の裏側にある剣(けん)と呼ばれるツメ部を桟木に引っ掛けて、尚且つ釘止めをしています。
ですから、瓦がズレることもほとんどない施工になってきています。
さらに今のJ形瓦と見比べていただくと、分かるのが瓦の上下が重なって隠れるところに、雨対策の防水壁がついています。
表に出ていないところにこそ、瓦の進化を見ることができます。
ズレてしまった場合は、そのズレを元の状態に戻すこと。
そして、瓦の下の状態によりますが、できることならば今の引掛け桟瓦葺き施工で葺き替えすることができるとその後も安心して暮らせると思います。
予算の関係などで、葺き替えができなくても、まずは雨漏りを止めるためにできることがあります。
あとは、ご相談しながら少し手を掛けてあげれたらと思います。