住まいづくりサポーター屋根係の瓦ブログ

三州瓦メーカー(株)山平のブログです。平板陶器瓦を中心に製造をしている会社です。

お寺の瓦と住宅用の瓦の違いは形の違いです。

 

 

 

瓦と一口に言ってもいろんな種類が実はあるのです。

形の違いや大きさの違いが一番の違いなんです。

今回はお寺に使われる瓦と住宅に使われる瓦の違いを説明します。

 

 

 

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1400年前の瓦が今も現役で屋根に乗っている奈良市にある元興寺の写真です。

THEお寺の屋根と言ってもいい素晴らしい屋根ですね。

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これが一戸建て住宅に使われている瓦屋根の写真です。

違いが分かりますでしょうか?

色はちょっと置いておきまして、形が違うんです。

お寺に使われる瓦は本葺き(ほんぶき)瓦と呼ばれるものがほとんどです。

一戸建て住宅に使われる場合は、J形瓦・和形瓦・和瓦と呼ばれるものになります。

他にも最近では、洋瓦とか、平板瓦もありますが、今回はJ形瓦との比較にします。

本葺き(ほんぶき)瓦

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上の写真のように上丸(うわまる)と下丸(したまる)の瓦を組み合わせて施工していく瓦のことです。

昔は瓦といえば、このツーピースの本葺き瓦しかありませんでした。

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上の図のように円筒系のものと円錐形の樽・桶のようなものに土を巻き付けてそれを切って形にしたと言われています。

これが最初の瓦でした。

今もお寺などの社寺仏閣にはこのタイプの本葺き瓦が使われます。

やはり本物・伝統志向なのです。

J形瓦(ジェイがたかわら)

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江戸時代にこの本葺き瓦をつなげたデザインとして簡略瓦(かんりゃくかわら)と呼ばれるものが出てきました。

この簡略瓦の出現により、施工も簡単になり、江戸の大火以降の普及につながったと言われています。

簡略瓦が出てきたことによって、今までの瓦のことは本瓦・本葺き瓦と分けられたのです。

その後、簡略瓦のことは和瓦と呼ばれ、最近では、S形瓦が出てきたことで和の瓦としてJapanのJをとってJ形と呼ばれるようになりました。

 

お寺のように大きな屋根には本葺き瓦のような大きな波がとても映えます。

瓦屋根は遠くから見るものなので、本葺きのダイナミックな波が活きてきます。

一般の住宅には、施工もしやすいJ形瓦が広まったのです。

単純に本葺き瓦は2枚施工するのと、J形は1枚の施工なので、施工スピードやコストも変わってくるため、住宅に本葺き瓦を使われることはあまりありません。

やっぱりお寺の屋根は特別なんです。