お寺などの大切な場所には、やはり手作りの鬼瓦がイイ!
お寺のような心の部分を大切にする神聖なところには、やはり瓦で作った鬼瓦が一番イイ!
なぜこんなことを言い出すかといいますと2つ理由があります。
1つ目は鬼師さんの仕事を見る機会が増えたこと
数年前から鬼師さん達と仲良くさせていただいてます。
私は社寺の仕事に関わることがほとんどないので、仕事上のお付き合いはほぼありません。
しかし個人的には凄く懇意にさせていただいてます。
瓦という素材を扱う上で、日本で古くからあるJ形瓦のことは欠かすことはできません。
その中で鬼瓦などの飾り瓦と呼ばれる特殊物にとても興味があったんです。
調べたり、聞いてみると様々な想いが瓦に表現されているのです。
そして、鬼師さん達の仕事は想いを形にして残す仕事なのだと感じています。
そういう瓦というモノだけではなく、その奥にある世界に惹かれているんです。
鬼師さん達は饒舌な方よりもどちらかと言うと無口な職人気質の方が多いです。
しかし、何気なく語られる言葉は凄く深いことが多いです。
それを聞き自分なりに伝えていくことができればと思っています。
様々な想いが込められた鬼瓦が社寺仏閣などの神聖な場所には必要だと思います。
日本人の日本人らしさを表現するものとして本物の瓦が必要です。
2つ目は浅草寺のことを思い出したからです
有名な浅草の浅草寺です。
凄くキレイな屋根ですよねぇ~。
でもね・・・これ瓦じゃないんです・・・
チタンの屋根材なんです。
チタンという素材は素晴らしい素材だと私は思っています。
しかし、TPOは大事だと思うんです。
お寺などの日本人の心を表すような神聖な場所はやはり本物じゃないとダメだと私は思います。
私は、この浅草寺のチタンの話になってしまうと熱くなってしまうのですが、ご容赦下さい。
外国の旅行者の方も多く訪れる場所であり、観光客の多い場所です。
瓦の落下の危険があるとのことで、チタンに変更されたそうです。
安全面のことだって、施工の方法だったり改修工事で対応することはできたはずです。
しかし、瓦のもたらす価値が伝えることができなかったのでしょうね。
この物件に関して私は関わることはありませんでしたが、私も価値を伝えることはできていなかったです。
私自身も小さいことかも知れませんが、もっとできたことはあったと思います。
何が私個人として嫌なのか。
それは日本の文化に触れたくて訪れていただいた方に本物の瓦の美しさを見せることができない点です。
わざわざ日本まで来てイミテーションを見て帰らせるというのが、ちょっと違う気がするのです。
個人的には増上寺に行って下さいと言いたいです(笑)
やはり本物を見て歴史の風合いを感じていただきたいのです。
東京ディズニーランドが個人的に素晴らしいなと思うのは、真剣に外観などを作り込んでいる点だと僕は思っています。
建築系の仕事をしているからこそ感じる点ではあります。
屋根工事に携わった方々から当時の話を聞く機会もあったからでもあります。
古びた質感を出すために、屋根の野地板をわざとうねらせたり、綺麗に施工された瓦をわざとカケさせてみたり、割ってみたりしたそうです。
割ったところはイメージが違ったらしく、新しい瓦を入れ直したそうですが(笑)
最終的には、アメリカからエイジングというのでしょうか?
塗装のスペシャリストまで呼んで古びた風合いを出させるために徹底的に手を加えているそうです。
それくらい風合い・雰囲気・空気感を大切にされているそうです。
まさにプロ中のプロだなと感じました。
だからこそ、お寺のような社寺仏閣には建物だけではなく、敷地内の風合い・厳かな雰囲気を守るためにも本物の瓦が一番良いと思います。
新しく変わっていくことが大切なのは分かっています。
しかし、それと同時に忘れてはいけない・変わってはいけないものもあると私は思います。
長々と書いてしまいましたが、お付き合いいただいてありがとうございました。
旅行や観光で社寺仏閣に行った際に、屋根を見上げる一つのきっかけになればと思います。