三州瓦の街並みは多彩な色使いにあり 目からウロコでした
今回は三州瓦の街並みについて書きます。
私は三州瓦の製造メーカーとして仕事をしている際に、統一感のある誇れる街並みがないなぁ・・・
っと悩んでいたのですが、目からウロコな出来事がありました。
ここで少し瓦の産地のことを少しお話します。
瓦の三大産地
日本には瓦の三大産地と呼ばれる産地があります。
①三州瓦(愛知県)
②石州瓦(島根県)
③淡路瓦(兵庫県)
この3つの産地で全国の瓦の約95%を作っていると言われています。
②石州瓦さんは、来待石(きまちいし)を原料にした釉薬で独特の赤瓦が有名です。
③淡路瓦さんは、釉薬を使わないイブシ瓦の一大産地として有名です。
それぞれ二つの産地には独特の街並みが形成されています。
これは石州瓦さんの赤瓦の街並みです。
独特の来待色が揃っており、街並みとして美しいですね。
こちらは淡路瓦さんのイブシ瓦の街並みです。
モノクロに加工されておりますが、非常に味のある美しいいぶし銀の景色です。
一方我々三州瓦の街並みはどうなのか?
実は、私もこれがずっと悩みでして、コレといった美しい街並みを地元で見つけることができていませんでした。
この写真は江戸時代の東京の愛宕山から見た江戸の街並みだそうです。
三州瓦の昔の街並みがこんな景色だったのだと思います。
そんな悩みを抱える中で、あるデザイナーの方と出会い、目からウロコが落ちる経験をしました。
いろんな色の瓦屋根の街並みこそ三州瓦の街並みですよねぇ~
私は、統一感のある街並みがないことが悩みだったのですが、それは瓦業界にいるからこその先入観だったのですね。
ちっぽけな瓦業界から見ていた世界だったんですね。
ある展示会でのいろんなメーカーのいろんな色の瓦を並べた写真です。
こんなにたくさんの色を釉薬で作れるところはこの三州しかないんですね。
それ以来、街並みが新鮮に映るんです。
もちろんお寺などの古い建物はいぶし瓦が使われています。
そして、一般の住宅でも古いお家には塩焼き瓦という赤い瓦が乗っています。
30年くらい前のお家には青色の青緑色(せいろく)や緑色の青銅色(せいどう)にマロンピンク色もあります。
新しいお家には茶色系の色が乗っていたり、様々な彩を見せてくれます。
J形瓦のいぶし瓦に釉薬瓦の赤い屋根に青色の屋根、平板瓦もあって、これが三州瓦の街並みだと今ならば、胸を張って言えます。
それぞれの地域にはそれぞれの街並みがあるのも日本の街並みの良いところ。
同じ景観である必要はないんですね。
そしてこれからの新しい街並みは皆さんの建築する一軒一軒のお家が作っていくのですね。
街並みも意識した家づくりができたら素晴らしいですね。
そんな街並みもちょっと意識してもらえたら嬉しいです。