いぶし瓦と釉薬瓦の違いを分かりやすく書いてみます
今回はいぶし瓦と釉薬瓦について書きます。
いぶし瓦とは
瓦の種類の一つであり、製法の違いにより「いぶし瓦」と分けられます。
素材の粘土は基本的には同じなのですが、色を出すための製法が違います。
瓦を焼きあげる最後の工程で、密閉された状態で無酸素状態でガスを入れることによって還元反応させ、表面に炭素の銀色被膜を形成させる製法です。
簡単に言ってしまうと、焼き上げの最後でスモークする、燻化(くんか)、燻す(いぶす)ことによって炭素を付着させて銀色の色を出します。
釉薬瓦と違って全体的に銀色の色が付着するのが特徴です。
割っても中までネズミ色の瓦です。
取り扱う時に一点注意が必要なんです。
表面に炭素被膜が付いているため、素手で触ってしまうと手の脂分と反応してしまって跡がついてしまうので、施工する時は軍手をして下さい。
釉薬瓦とは
瓦の表面に釉薬(ゆうやく)と呼ばれるウワグスリを掛けて化学反応することによって色を出す瓦です。
写真の上部を見てもらうと釉薬の塗っていない部分はもともとの土の色が出ています。
形は同じでも焼き上げる製法の違いによって燻し瓦と釉薬瓦の違いが出ます。
こんな青色の瓦の色も出すことができます。
今屋根に乗っている瓦がイブシ瓦なのか釉薬瓦なのかを判別するために一番確実なのは、瓦の裏面の色が土の色なのかネズミ色なのかによって見極めることができます。
また、いぶし瓦の場合は経年変化によって屋根全体に独特のムラが出るのも特徴です。
また銀色以外の場合はほとんど釉薬瓦です。
稀に釉薬を塗っていない素焼きの瓦もありますが、ほとんどないのが現状です。
今回はいぶし瓦と釉薬瓦について書きました。
参考にしていただければと思います。