住まいづくりサポーター屋根係の瓦ブログ

三州瓦メーカー(株)山平のブログです。平板陶器瓦を中心に製造をしている会社です。

屋根勾配によってメンテナンス費用が変わります

屋根の勾配(こうばい)によってメンテナンス時の費用が変わってくるんです。

なかなかイメージしにくいですよね?

屋根には雨水を排水するために、角度がついています。

f:id:jovi1kamiya:20140528101733j:plain

水平方向に10いった時に、いくつ垂直方向にいくかで〇寸勾配と言います。

一般的な屋根では、4寸勾配~6寸勾配のものが多いです。

コレには理由があります。

屋根勾配が緩いとどうなるのか?

角度が緩いと何が起こるのか?

雨が適切に排水しにくくなります。

水は角度がないと下に流れていきません。

単純な雨だけでしたら下には流れていきますが、風が吹くと雨が上に登っていくこともあります。

その分だけ雨漏りする危険性が増します。

・メリット

屋根面積が少し減るのでコストダウンすることができる。

デザイン性が増す。

シンプルモダンの建物だと角度の緩い片流れのデザインがカッコイイですよね。

 

雨に対する備えは適切に行って下さいね。

角度が緩いと職人さんも足が凄く楽だったりはします(笑)。

屋根勾配がキツイとどうなるのか?

角度が急になると雨水のキレは良くなります。

しかしここで少し問題があります。

角度が急になればなるほど、人が立っていることが難しい状態になります。

6寸以上の急勾配になると、立っているのも難しく作業が非常に大変です。

f:id:jovi1kamiya:20140528102556j:plain

こういうジャングルジムのような屋根足場というものが別途必要になってきます。

コレがないと体重を預けたり、つかまって移動することができません。

施工作業も通常よりも時間も手間もかかるため少し割高になります。

・メリット

デザイン性が増す。

角度の急な外観は凄くカッコイイですよね~。

そして屋根裏を利用したスペースを作ることができる。

屋根裏部屋って凄くワクワクしますよね!

 

メンテナンスの時に起きること

角度が緩い時は通常の4寸~6寸勾配の時と変わらないです。

むしろ角度がない分だけ作業はしやすいくらいです。

急勾配の場合は作業をするために、通常の屋根上までの足場にプラスして別途屋根用足場が必要になります。

これは瓦だからではなく、他の屋根材でも同じです。

例えば、カラーベストや金属屋根材の色の塗り替えの時にも必ず必要です。

屋根足場がないと危なくて作業ができません。

10年ごとに色の塗り替えをする際に、必ず追加費用がかかりますので、ご注意ください。

見積もりが隣のお家がやった時よりも高い!っと思っても屋根足場代や作業の手間がかかるため、適正な金額なのかも知れません。

 

屋根勾配を絶対4寸~6寸にしなければいけないと言っているのではありません。

こういったメンテナンス費用の要素もあるということを知っておいていただきたいんです。

その分を将来のメンテナンス費用として貯めていくとか、屋根裏部屋のある生活をしたいとか、様々な想いや方法があると思います。

住宅を建築する前にこのことも一度お考えいただく機会になればと思います。

 

たとえば、屋根裏利用をした住宅に住むのが夢でありどうしてもやりたい。

色の塗り替えの費用のことも考えて、瓦屋根にしよう!

そんな考え方もあるのではないでしょうか?

最後に瓦の売込みっぽくなってしまいましたね(笑)。

 

参考にしていただければと思います。

 

オマケ

雨の多い日本だからこそ、屋根には勾配(角度)が必要です - 住まいづくりサポーター屋根係の瓦ブログ

以前書いた屋根勾配のブログです。