屋根上から怖い顔をして睨みつけている人・・・鐘馗(しょうき)さん
屋根の上には様々な人の想いが込められています。
たとえば、火事除けの願いが込められて水にまつわるものが乗っていたりします。
そんな中で鬼瓦とは別なものなのですが、怖い顔をして睨みを効かせている像があります。
鐘馗(しょうき)さんと呼ばれています。
この鐘馗様は厄除け・魔除けのために屋根に乗せられています。
もともとは中国の人物と言われています。
唐の時代、6代皇帝玄宗が高熱の病にかかり、夢の中で宮廷内で小鬼が悪戯をしてまわるが、どこからともなく大鬼が現れて、小鬼を難なく捕えて食べてしまったそうです。
そしてこの大鬼に正体を尋ねると鐘馗さんだったそうです。
日本ではまた別の風習があります。
京都市内の町屋などで多く屋根に見られる鐘馗さんですが、こんな話があります。
昔京都三条の薬屋が新しく店を作った際に立派な大きな鬼瓦を葺いたところ、向かいの住人が原因不明の病に倒れてしまったそうです。
薬屋の大きな鬼瓦に跳ね返った悪いものが向かいの家に入ったのが原因と考え、鬼よりも強い鐘馗(しょうき)さんを作らせ魔除けに据えたところ病が完治したそうです。
それ以降、立派な鬼瓦の対面には鐘馗さんを据えるようになったそうです。
ただ、ご近所さん同士でにらみあいにならないように、正面を向いていない鐘馗さんも多いそうです。
さらには、微笑み返しとして「お福さん」を対面に据える場合もあるそうです。
ちょうどいい写真がなくて置物でごめんなさい。
それにしても粋な返し方で、お福さんを据えるって私は好きですね。
鐘馗さんは鬼瓦に対する魔除けの意味のもの。
鐘馗さん同士で返すのではなく、微笑み返しの「お福さん」は粋である。