雨に濡れる瓦の艶と機能美について
梅雨の季節がやってきました。
私達瓦業界は外での仕事がメインですので、雨が降ると作業が進めることができず困ってしまうこともあります。
しかしながら、私が感じる魅力の一つとして雨に濡れた瓦の艶っぽさは本当に美しいと思っています。
もともと日本の文化はパリっとしたものといいうよりも、艶感を感じるものの方が多いと思います。
個人的にはこれは日本独特の気候だったり、気質が関係しているのだと思っています。
直線美ではなく、曲線美。
ドライではなく、ウェット。
建築においても、日本らしさを感じる建物としては、曲線美であると思います。
屋根の独特の曲線美。
これは日本人の美的感覚の鋭さだと感じています。
建物では、石の文化ではなく、木の文化。
無機物ではなく、有機物。
自然を大切にする心ではないかと思います。
柱の梁(はり)は木の自然な曲線を活かしているものに美しさを感じませんか?
構造躯体としての要素+魅せる(みせる)ものとして使われているような気がします。
雨は作物を育てる上では必ず必要な恵みの雨でもあります。
雨に濡れる瓦が魅せる独特の艶っぽさを楽しんでみてはいかがでしょうか?
そんな気持ちで過ごすことができたら、雨もまた良いものではないでしょうか?
雨もあんまり長く続いたり、ゲリラ豪雨は困りものですが・・・
雨を速やかに排出するために形がどんどん進化した瓦。
瓦の機能美を楽しんでみるのもいいものですよ。