屋根材の違いで屋根裏の温度が変わるんです。
今回は建築建材展での展示を使いながら、屋根材の違いによる野地板裏の温度差について書きます。
屋根材の違いで野地板裏の温度差によって室内の快適さが変わります。
まずはどんな装置での比較実験だったのか説明します。
上の写真のような実験装置での試験です。
上からライトを熱源として熱を与えます。
そして、温度は屋根材の表面温度と屋根材の下に板をおきその裏側の温度を計測です。
下の透明な箱は締め切った状態で温度を計っております。
左から金属屋根材、真ん中が瓦(平板瓦フラットタイプ)、右が化粧スレートです。
金属屋根材の温度
金属板の上の温度82℃
野地板下の温度72℃
瓦(平板瓦フラットタイプ)の温度
瓦の上の温度 84℃
野地板下の温度 45℃
化粧スレートの温度
化粧スレートの上の温度 83℃
野地板下の温度 71℃
温度をまとめます。
屋根材 金属屋根材 瓦 化粧スレート
屋根材表面温度 82℃ 84℃ 83℃
野地板下温度 72℃ 45℃ 71℃
野地板下温度さが、なぜこんなに差が出るのでしょうか?
屋根材表面温度はほぼ同じくらいの温度となったが、野地板下温度の差は26~27℃差が出ました。
これは、瓦素材自体の厚みによる差もありますが、他に大きな違いが1つあるんですが、想像がつきますか?
大きな違いとしては、通気層があるかないかの差なのです。
瓦の場合は野地板の間に下の写真のように空気層があります。
この空気層が断熱効果を高めている。
他の屋根材の場合は、下の写真のように野地板とピタっと密着している。
これは化粧スレートの例です。
屋根材と野地板の間に空気層がないため、熱がそのまま野地に伝わっていき野地板下温度に差が出るんですね。
このことから、屋根材選びで室内温度にも差が出るので、快適に過ごせる屋根材は、瓦が一番いいんです!
他の屋根材を選ばれる場合には、天井断熱や、屋根裏の断熱とともに結露対策もしっかりと検討して下さい。
断熱材を入れれば、確かに熱はそこで防げるかも知れませんが、温度差が発生するところには結露の可能性があります。
しっかりと換気対策をしましょう。
瓦の断熱性は素材だけでなく、工法によって大きな効果を果たします。
暑い夏がある日本で、断熱材などがない時代から使われ続けているのには理由があるんですね。
瓦ってスゴイ。