一般住宅の屋根に瓦が使われるようになってきた流れを整理してみます。
瓦って一体いつから日本で使われるようになったんだろう?
- 西暦588年以降のことと考えられています。
『日本書紀』の崇峻元年(588年)のところに、「百済国が仏舎利や僧などとともに、寺工2名、露盤博士1名、瓦博士4名、画工1名をおくってきた」という意味の記述があり、彼らの手により、法興寺(飛鳥寺)が造営されたことが、考古学的な研究からも明らかになっているのです。
ちょっと難しいところから入ってしまいましたね(笑)
まず、最初に瓦が使われ始めた建物はお寺などの社寺仏閣です。
1400年前の瓦が今も現役で屋根の上で頑張っている元興寺です。
社寺以外に瓦が使われるようになったのは、鎌倉時代に入ってからだと言われています。
最初は後醍醐天皇の頃に京都の商人が土倉に使い、質物を入れたそうです。
その後、酒造商人達が多く造ったそうです。
そして、普通の民家では、豪商達が屋根を瓦で葺くようになったそうです。
一種の富の象徴だったんですね。
その後、一般の民家に使われるようになったのは、江戸時代後期に伝わっていったのです。
そう江戸の大火以降です。
江戸の街が大火事で燃え散ってしまったのです。
それまでは、板葺きの屋根が一般的だったのですが、火事で燃え移っていってしまったため、火事による延焼を防ぐために瓦が使われたのです。
火事の火の温度が約800度と言われていますが、瓦を焼く温度は1100度以上なので、燃えません。
だから、瓦が使われるようになったのです。
まとめ
588年に百済から伝わった瓦は最初お寺などの神聖な建物から使われ始める。
やがて鎌倉時代に入り、京都の豪商達が富の象徴として使い始める。
江戸時代後期に火事による延焼を防ぐために民家にも使われるようになった。
っということです。
今日は瓦の歴史でした。