住宅の軒がないと真夏と雨の日が大変なことになってしまう
軒の重要性をもう一度考えてみて下さい。
こういう軒のない家もパッと見るとカッコイイですよね。
でも住んでみると凄く大変な想いをすることになりますのでご注意を。
では、何が大変なのかと言いますと・・・
- 真夏の直射日光がモロに室内に入ってきてしまう
- 雨が降っていると雨が入ってきてしまう
- 壁が汚れてしまう
以上の3点があげられます。
図で説明をします。
軒がある場合とない場合の図です。
斜めの線が日光、または雨だと思って下さい。
軒がある場合は、軒が出てる分だけ日光と雨を遮ることができます。
軒がないと直接日光と雨が、当たってしまいます。
日光が壁に直接当たるため、熱が建物に伝わってしまいます。
雨も直接壁に当たるため、汚れが付着しやすくなります。
また、眩しいので窓も常にレースなどの日除けが必要になります。
雨が降っていると雨が入ってきてしまうため、窓を開けることができません。
軒が深いと夏の日差しを遮ることができます。
実は、この日本の軒先の深さって素晴らしくよく考えられているのです。
日本は暑い夏と寒い冬といった四季があります。
エアコンなどない時代には暑い夏には日射しを遮り日陰の涼しい空気が住宅の中を駆け抜けるようになっていました。
日向と日陰の温度差により風が起こり、室内に吹き込みます。
冬は太陽の高さが低いため、室内まで日光が入ってくるようになっており、室内も暖かくなります。
太陽光の角度は夏至では約80度、冬至では約30度と言われています。
暑い夏には太陽光を遮り、寒い冬には太陽光を取り入れる工夫が軒なのです!
では、なぜ軒がない家になってしまうのか?
- デザイン上で軒がない方がカッコイイという間違った認識
- コストカットのため軒先分だけでも短くしてコストダウン
- 敷地境界の問題で軒が出せない
大きく分けると上記の3点があげられると思います。
デザイン性も大事ですが、実際に住むのは皆さんなので、やはり快適に暮らせる家の方が僕はいいと思います。
コストダウンのための軒先カットは、エアコンの使用量や壁の傷み具合を考えるとそれくらいの差は元が取れると思います。
敷地ギリギリの建て方をしなくてはいけない場合は、少しゆとりを持てるといいとおみますが、難しいかも知れませんね。
できることならば、軒のある家の方が快適に過ごせます。
雨の日に窓を開けて縁側に座ってぼんやりとお茶を飲む。
そんな素敵な雨の日の過ごし方もいいですよね?
夏に室内でエアコンを効かせて過ごすのもいいですが、外の空気や風を感じて庭で子供達が遊んでいるのを眺めるのも素敵だと思います。
このイメージは1階に下屋と呼ばれる屋根がある建物のイメージですね。
2階部分の軒では1階の窓までは光遮ることができないですもんね。
そうやって考えてみると、和風住宅の住まいって本当に先人達の知恵の結晶なのだと感じました。
和風住宅の良い部分を今の住まいづくりに活かせる方法を考えてみましょう。
最後にもう一度
軒は大事なんです!!!